第259回 意匠学会研究例会

開催2026年2月7日(土) / 形態:対面 / 会場:阪南大学あべのハルカスキャンパス

日時
2026年2月7日(土)
形態
対面
会場
阪南大学あべのハルカスキャンパス
担当
阪南大学(安城寿子)

プログラム

研究発表 13:00~13:50 質疑 13:50~14:20
「シャルロット・ペリアンによる1941年の展覧会『選擇・傳統・創造』展の図録図版における空間構成手法」 庄野那奈(島根大学大学院)

デザイン史研究と教育4(ファッション編):服飾史研究をめぐる諸問題 14:30~17:00
ファッションの歴史をめぐる研究は、歴史学、哲学、文化人類学、家政学、社会学、経済学、経営学など、実に様々な領域の研究者によって試みられてきた。ファッションの歴史の様々な側面のうち、意匠に関するテーマを扱った研究に絞ってみても、それは同様で、ファッションの歴史研究がそのようなものであるということ、そしてそのことが内包する問題を素通りして、初学者に向けて「服飾史」あるいは「ファッション史」の何を共有すべきかを論じることはできない。以上のような問題意識から、今回の発表では、3名の研究者がそれぞれの立場と専門から服飾史研究が抱える諸問題について論じ、意見交換を行う。

14:30~14:35 趣旨説明
14:35~15:05【発表1】「服飾の歴史を巡る学術研究の研究史と方法論」 角田奈歩(東洋大学)
15:05~15:35【発表2】「服飾史記述のパリ中心主義批判をめぐる考察:近現代日本服飾を専門とする立場から」 安城寿子(阪南大学)
15:35~16:05【発表3】「『ファッション』コレクションの形成とその特殊性:京都服飾文化研究財団(KCI)の活動事例を通して」 筒井直子(京都服飾文化研究財団学芸員)
16:05~16:15 小休憩
16:15~16:40 パネルディスカッション
16:40~17:00 質疑


会場アクセス

阪南大学あべのハルカスキャンパス
〒545-6023
大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1-43あべのハルカス23階
https://www.hannan-u.ac.jp/harukasu/mrrf43000000vwgw.html


役員へのお知らせ

当日の午前10時00分より役員会をハイブリッドで開催いたします。対面でご参加される場合は阪南大学あべのハルカスキャンパスまでご参集ください。


研究発表要旨 第259回 意匠学会研究例会

研究発表要旨庄野那奈

シャルロット・ペリアンによる1941年の展覧会『選擇・傳統・創造』展の図録図版における空間構成手法

写真と建築の関係は、写真の発明と同時期に始まる。19世紀半ばまでは写真開発者などの写真の専門家が記録のための撮影を担っていた。しかし20世紀初頭に至ると、建築家という専門外の人々も実験的に、また思想を表現する手段として写真を活用するようになる。
シャルロット・ペリアン(1903-1999)も写真を活用した建築家のひとりである。ペリアンは「アール・ブリュット」写真の撮影や写真壁の制作など、写真を好んで利用していたことが知られている。さらに、1941年に日本で行った展覧会「選擇傳統創造」展では、展示空間の撮影と展覧会図録のレイアウトに対して指示を出していた。そこで本発表では、「選擇傳統創造」展の図録図版における展示空間の表現方法の分析を通して、ペリアンによる写真によって演出された展示空間について考察することを目的とする。
まず、1941年の展覧会の展示空間について概観した上で、写真撮影における展示作品の演出方法について分析する。次に、各々の図版の制作手法について分析する。そして最後に、実空間における展示空間体験と図版の読書を通して追体験される
展示空間の順序における相違について分析する。
図版写真の撮影では、クローズアップとライティングによって素材感や肌理を強調し、展示作品における素材の重要性を示している。さらに、図版の制作では、トリミング、コラージュによって、多様な素材による展示作品のバリエーションや家具への解剖的な視線を示している。そして、図版の配列において、素材、家具、空間の順に展開された図版は、必ずしも実空間における作品配置とは一致せず、空間よりも素材と家具に焦点が当てられている。
他の建築家が建築空間の写真のみを自己宣伝の道具として用いて、建築空間を理想化しようとしていたのは異なり、ペリアンは作品のミクロな肌触りと空間への広がり、あるいは制作の着想の源泉と制作物を連続的なものとして示そうとしている。庄野那奈(島根大学大学院)