2022年度藝術学関連学会連合第16回公開シンポジウムの報告者・発表者の募集のお知らせ


2022年度藝術学関連学会連合第16回公開シンポジウムの報告者・発表者の募集が
1月15日に発表になりました。開催方法(予定)は、以下のとおりです。


藝術学関連学会連合 第16回公開シンポジウム『疫病と芸術』


開催日時:2022年6月11日(土) 13:00~18:00
開催方法:早稲田大学を対面会場としたハイフレックス(予定)

オーガナイザー学会:美学会、美術史学会、比較舞踊学会


■シンポジウム全体主旨
2019年末に発端し、またたく間に世界に蔓延した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が、社会の仕組みや私たちの日常に大きな変容を迫りつづけている。このような状況下、人類が蓄積してきた芸術という営みの中に、疫病に関わる経験や叡智を探索することには、現在そして未来を切り拓く大きな意味を有するであろう。今回のシンポジウムでは、全体を思想・歴史・実践の三つのパートに分け、疫病と芸術について考える。


第1部 思想
疫病は、ふだんの人間的営み同様、芸術的営みをも著しく制限する。その一方で、古来芸術は疫病を表現してきた。しかし近代以降、政治が健康、公衆衛生、出生率、死亡率などの観点から人間の身体を統轄するようになると、疫病を直接表現した芸術だけでなく、何気ない人間生活や風景を描写した芸術でさえ、裏に疫病との対峙・克服を忍ばせた政治性や思想性を帯びざるをえない。20世紀末、HIV/AIDSの出現とともにあらためて意識された「生政治」、「免疫」の概念は、むしろコロナ・パンデミックにおいてこそもっとも鋭く時代を映し出す芸術上のメタファとはなっていないだろうか。第一部では、このような問題意識のもと、「疫病と芸術」を思想面から論じ合う。


第2部 歴史
パンデミックの渦中で意識されるようになった、ペスト、疱瘡、衛生と芸術という論点の先に、私たちは、疫病と人類をめぐるいかなる歴史を浮き彫りにできるだろうか。ここでは、過去の芸術作品の中に、繰り返された疫病の痕跡を辿り、疫病と対峙することで獲得された世界観や信仰をひもとくことを試みる。他方、今般のパンデミックをめぐる思考や経験、記憶は、これからの社会に深く内在し続けるであろう。芸術という営みを通じて私たちはいかなる未来を構想し、 実現することができるのか。このこともまた問われなくてはならない。以上の観点を踏まえ、第三部では、過去と現在を架橋し、私たちの社会における芸術の役割についての議論、疫病を梃子にした芸術創造への新たな展望がひらかれることをめざす。


第3部 実践
この度の疫病により、モダンダンスやコンテンポラリーダンスにおいては、公演の中止、無観客の動画配信、観客数削減、動画同時配信開催などの対応をし、活動を続ける舞踊家へは公的支援がなされた。ワークショップなどもオンライン開催が増えたが、対面でしか得られないことは多くあり、もどかしい。一方、対面でのリハーサルはマスク装着による視覚嗅覚の遮断や息苦しさがある。ネット上の情報発信が求められつつも、生身の身体が相対することが最重要であり、終息を祈るばかりである。他の芸術領域ではどのような影響があるのだろうか。第三部では、疫病が芸術実践にどのような影響を与えたのか、今後どのような方向に進むのか示唆してくださる方の登壇を求む。


■シンポジウム構成
第1部 思想 コーディネーター担当学会(美学会)
発表者①
発表者②

第2部 歴史 コーディネーター担当学会(美術史学会)
発表者③
発表者④

第3部 実践 コーディネーター担当学会(比較舞踊学会)
発表者⑤
発表者⑥


パネルディスカッション

上記テーマに関連する「報告」(問題提起、話題提供など)、「研究発表」をしてくださる方を募集いたします。報告時間は20分です。発表をご希望される方は、2月5日(土)までに、下記の情報を添えて、近藤(kondoa@ferris.ac.jp)までお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3)ご連絡先(メールアドレスなど)
4)(仮)タイトル
5)200字程度の内容紹介
6)発表希望のテーマ(「思想」「歴史』「実践」」):各テーマについて発表希望の順位をお知らせください。

なお、発表枠が限られているため、発表の可否や、お申し出いただいた内容等について、藝術学関連学会連合所属学会間の調整等が行われます。予めご承知おきください。年度末のご多忙な時期に加え、募集期間が短いのですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。